ayu-chans夫婦の日記

神奈川の自然の中で動物と暮らす共働き夫婦です

記事:Dr.アマゾンに思うこと

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少し前のNewsweekに掲載されていた記事ですが、それに関する可能性を考察して想像を広げてみました。

 

概要

記事としてはアメリカでAmazonが医療の業界に参入する事に対してまとめています。

現在Amazonは試験的に一部従業員に対してAmazon careなるものを提供しているそうです。

 

そしてこの記事では、Amazonが今後一般的にそのAmazon careを提供し始めたときに得られる利益と、社会的な影響、さらには利用者に対する利点、そしてAmazonが迎えるであろう課題についてわかりやすく解説しています。

 

記事の内容については詳細までは書きませんが、

要点については説明したいと思います。

 

医師と患者を繋ぐプラットフォーム

まずこのAmazon careの大きな目玉は医師と患者を繋ぐプラットフォームを提供するという事です。(注:まだ構想途中で一般には普及していない段階)

インターネットを介して患者が掲載されている情報(レビューや他サイトの書き込みを含む)を元に適切な処置を施してくる医師を検索し、医師は逆に自身が提供できる治療法や技術を伝える事ができる。このやりとりがお互いにWin-Winの関係を構築できる想定になっています。

さらにこの関係性をより強固なものにする為に、選んだ医師が必要な処置を施す為に利用者(患者)はその医師がいる診察室に足を運ぶのではなく、医師が遠隔操作やインターネットで送られてくる情報により治療や診察を行う技術の発展が必須になっていきます。そしてその発展の一躍を担っているのがFitbitやApple Watchを始めとするウェアラブル端末です。

 

ウェアラブル端末とその先

利用者の体に身に付ける事によって心拍数や血圧などの健康に関する値を読み取り、利用者に伝える機能があります。

最近のアプリの中にはそんな読み取った数値を元にストレス値や睡眠の充足値を判定し、改善を提案するものもあります。

さらにはGPSと連携する事によって、体に危険値が発見された場合に然るべき機関に居場所と必要な情報を提供して救助を求める事もできる時代になっています。

こうした数値化したデータはAmazon careを通して医師に伝えられて、診察に使う事ができます。

そしたその先の技術の発展によってはウェアラブルから“服用型の端末”の台頭によって、より詳細な体の情報(例えば血中の白血球の量など)が読み取る事ができ、インターネットを通じて医師に胃の内部などの状態を共有し、さらには簡単な医療処置(ポリープの除去や血管の修復等)がその端末によって遠隔操作でできる可能性があります。

 

費用に関する恩恵

そして何より大切な事は、こうした医療を安価で利用できる可能性があることです。

日本のような医療保障がないアメリカにとっては、高額な医療費が求められる治療も少なくはありませんが、Amazonという巨大なプラットフォームに組み込まれれば、プライム会員の年会費に上乗せした保険料がそのまま保証という形で利用者につく構造も作れるとはずです。

それだけではなく、ウエアラブル端末や服用型の端末を組み合わす事ができれば、患者と治療の処置の間にある無駄な人件費や事務費用が省ける可能性があります。

 

記事を読んでの印象

僕がこの記事を読んで感じた事はすごくポジティブな印象です。

Amazonのような方式でレビューなどの評価を元に医師や医療方法を選択し、医療機器の遠隔操作の技術の向上によって離れた場所からでも個人が望んだ治療を納得した金額で受ける事ができる。

これについては以前Newsweekの別の記事で紹介されていた『医療とAIの可能性』について書かれた記事を読んで、個人的に“いつか医療や医師を正当な評価の下に自由に選択する未来が来て欲しいな”と強く感じましたが、その考えをAmazonが実際に形にしているという事です。

さすがAmazon!年間莫大な費用をR &D(Research and development)に費やしているだけあります。

 

そこからの妄想

まず記事で取り上げられた懸念としては、Amazonが今までに書店に対して与えた影響です。

電子書籍やネット注文が、地元の本屋を廃業に追い込んでいるという構造。ひょっとするとこの流れが地元で個人経営をしている診療所にも影響する可能性があると。

しかし、それもやり方次第ではうまく共存できる可能性があります。

例えば“服用型の端末では治療できない症状だが、遠隔で機械を操れば処置が可能なケース”。例えば診療所には遠隔操作で操作ができる大型の医療機器を揃えて、予約で来た人が順番に必要な機器のもとに案内されて必要な治療や検査(CTなど)を受ける。

診療所には専門医ではなくて、機械メンテナンスに詳しい人や、介護士、衛生管理を行う清掃員がいるだけで運営が可能で、緊急時を除いて予約制にする事によって、菌の蔓延というリスクを減らす事ができます。

そんな診療所施設が海外にもあれば、例えば旅行中に怪我や病気にかかっても、ネットで日本の医師に繋がって、必要な機材が揃った現地の場所に連れて行ってもらえれば、日本にいる時と同様の治療を受けることができるのです。もちろん翻訳機能が発達すれば、第3国の優秀な専門医師の治療も選べるわけです。

こんな話も聞きます。僕の暮らしている市では古くからある病院が多いんですが、本当に古すぎて扱う機材も古いと、ただ権力が強すぎて地元の病院らは結託して、他所からやってくる新参の病院が入ってこないようにしていると。だから心配な人はわざわざ別の市にある大学病院などを利用していると。こんな現状はぶち壊す必要がありますね。なんでもかんでも潰すのは良くないとは思いますが、普通に働いて暮らしている人のように緊張感持って生活しろよって思ってしまいますね。

 

正直になれない人

記事にも書いてあったんですが、僕も本当に気が弱くて、どうしても心配事があってもお医者さんにすべて打ち明ける事ができなくて、幸い今まで大きな病気や怪我はないんですが、変に気を使って期待されているような事しか言えない事があります。それは医療と人の関係性を考えるとあまり良くない事だと思います。

その点診察する機器が自分に身に付けられる事ができて、自分で気になる分野を検索して、希望する医師や治療法を選ぶ事ができる未来が来れば、それほど隔たりを感じずに医療に接する事ができるのではないでしょうか。

 

みんなで考える壁

そんな半分僕が好き勝手妄想した内容ですが、Newsweekではこんな懸念も指摘しています。

それは“1企業に医療に関わる個人データを提供していいのだろうか”という事です。

今や個人情報流出のニュースはしょっちゅう聞く話題ですが、Amazonに関わらず、もし大手企業がこういった医療の分野で深く我々の生活に関わった時に、どこまで情報を提供するか。

確かに言われてみるとかんがえさせられますね。。

そな記事の調査にやるとやはり多数派の人が企業に個人の細かい医療データを提供する事に抵抗を感じているそうです。それよりは多少弊害があっても地元の医療を使うと。

Amazonがまず題材とされていますが、これは医療に参入する企業全てが取り組まなければならない課題です。比較的若い世代はそこまで気にせず興味を持つという傾向もあるそうなので、しっかりとした基盤を作って取り組んでもらいたいですね。

だって実現すればすごくいい選択肢になると思います。全てを解決するわけではありませんが、新しい選択肢が増えるという事自体がとてもいいことです。

 

日本ができること

Amazonは日本でもかなりの存在感と影響力がありますが、なんと言ってもあくまでもアメリカの企業なので、Amazonが日本の医療界に参入すれば日本の利益がアメリカに流れてしまうという事案が発生する可能性もあります。

まあ日本のとりわけ医療界は保守的なイメージが強いからアメリカの企業どころか日本の新参企業が介入してもすぐはじき出しそうですよね。

それでも企業の参入については、もし実際におころうとするばあいは、先にR &Dに先行投資していたAmazonをはじめとする米国企業には勝てそうにありません。

それよりは日本が負けない(または負けなさそうな)分野。それは遠隔操作での治療が可能なオープン型の診療所の設計と運営、それに関わるメンテナンス、清掃、介護の人材運営とマニュアル&サービス提供、さらには機器の設計と製造と、まだまだ派生して必要になりそうな分野での発展が鍵になると思います。

 

これかの医療、僕もだんだん歳を重ねてお世話になる確率がまだ増えていきますから、その時にはできれば安心感や、全てではなくても納得した形の治療が受けられればいいなと切に思います。