映画レビュー:Rush
【好敵手という繋がりの美しさ。それは怒りや憎しみといったネガティブな感情さえも大きな力に変えてしまう。】
【Amazon primeレビュー】
奇しくもAmazon primeにあったので、Amazon primeレビューシリーズになってしまいましたが、この映画は名作です。
Amazon prime評価も星4.5
【自己採点】92点
先日レビューを書いた『フォードvsフェラーリ』でも紹介しましたが、
この映画は上映される前から予告で気になっていた作品でした。
2人のレーサーの物語
こちらの映画もF1が舞台で実際にあった実話を基に作成された作品です。
写真の広告(いい写真がなくてすいません😅)にも書かれている通り、映画が主に描いているのは2人のレースドライバーの“壮大なヒューマンドラマ”。
『フォードvsフェラーリ』ではフォードの下でプロジェクトに挑むドライバーとカーデザイナーの2人が中心人物ですが、映画『Rush』では2人の異なる立場のレースドライバーが中心となり、その2人のバチバチのライバル関係を描いています。
もちろん2人のやりとりだけではなく、レースシーンの映像もとても見応えがありました!!
背景
映画が特に焦点を置いているのは1976年のレースシーズンでのライバル関係。
ニキ・ラウダとジェームズ・ハントがシーズンを通して勝ち取る成績1位の座を目指して壮絶なレースバトルを繰り広げます。
お互いの違った価値観
主人公の2人は同じF1の世界で戦っていますが、それぞれレースに対してや生き方に対して違った考えを持ち度々その違いがお互いへの意識を強めるきっかけになっていきます。
2人の特徴
ジェームズ・ハント:甘いマスクに野心的な思想を持ち、ドライビングテクニックについては天才的な才能を持っているが、F1での成功はあくまでも人生を彩るための1つの要素として考えている。彼にとっては人生の瞬間それぞれを謳歌する事が何よりも大事と考えている。
ニキ・ラウダ:彼も天才的な才能を持っているが、ジェームズ・ハントとは違い天才的な直感よりは、論理的な考えを追求し、マシンの整備や開発に積極的に携わりながら、レーサーとしての人生を体現しようと努めている。見た目はお世辞にもハンサムとは言えず、よく記者たちにはハントと比べられる一幕もあった。
そんな明らかに対照的な考えを持つ2人が、死の危険を伴うF1の舞台で己の力をぶつけ合う。
この2人のドラマが魅力的なところは、対照的であり、ライバルでありながら2人の間には言葉では表す事ができない繋がりがあるという事だ。決して甘えではないけれど、お互いがそこにいる事の安心感が生まれている状況。
これこそ真の好敵手の構図ではなかろうか。
映画ではさらにF1とはいかに死と隣り合わせのレースなのかということを観るものに伝えている。その上で、そんな危険なレースに挑み、せめぎ合う2人のレーサーの生き様を描いている。
そこにはレースに出なければ分からない不思議な繋がりがあるのかもしれない。
私達はその繋がりをこの映画を通してほんの少し感じる事ができました。
ほんの少しでも最後まで胸が熱くなる内容でした。
ニキ・ラウダとジェームズ・ハント、キャラクターが違うだけにどっちかに肩入れしたいところですが、どちらも良いところと悪いところがしっかりあって嫌いにはなれませんでした。
むしろ魅了されてしまいました。
まだしばらくはAmazon primeにあると思うので、また観直したいと思います。