映画レビュー:ブラッドダイヤモンド
【ネタバレなし/全体の感想のみ】
【流された多くの血で彩られた宝石。我々の富の象徴がアフリカを地獄に変える。】
【Amazon primeレビュー】
Amazon prime評価:星4.5
【自己採点】92点(100点中)
多くの先進国に暮らす人々よ、刮目せよ、世界は繋がっている。そして我々は日々作られた幸福の中で暮らし、その外で地獄を生み出し続けている。
●僕たちの暮らしを知ろう
僕は生活の中で、不安もあるし憤りを感じる事もある。うまくいかない日だっていっぱいある。ついてない事が連続して悪態ばかり吐く時だってある。
それでも豊かな社会に暮らしている。
その中で自分の豊かさや富を着飾り表す事で他人と比べる事を当たり前に行なっている。
資本主義社会だの、共産主義も社会主義も、右も左も関係なく、結局はこの連鎖に手を染めてしまう。
ダイヤモンド、それは誰もが手を伸ばしたくなる魅力的な石。
光輝いて高価で、心を奪う魔力を持った石。
その石が欲しくて欲しくてたまらない。
だがしかし、大枚を叩いて、手に入れたダイヤモンドが手元に届くその裏側で多くの人の命が犠牲になっている事を我々は知らない。
言葉で伝えても難しい場合はこの映画を観ればいい。
ぜひ中高生の授業で流して欲しい。
これと「Lord of War』は絶対に観てほしい。
自分の生活や国や社会が一体世界の何と関わっているのかを知るきっかけになります。
●ストーリー
ブラッドダイヤモンドとはその名の通り“血のダイヤモンド”。
この映画はアフリカのシエラレオネの紛争地域で違法に取引されたダイヤモンドが武装組織の資金源になっている背景の下、強制労働でダイヤモンドの採掘をさせられていた主人公のソロモン(ジャイモン・フンスー)がある日、ピンク色に輝く大きなダイヤモンドを見つける。
それは今までに見たことがないくらい大きくて綺麗なダイヤモンド。
その噂は瞬く間に広がり、そのダイヤモンドを巡って争いが起きる中、命からがらダイヤモンドを隠したソロモンは、もう1人の主人公で密輸ダイヤモンドのブローカー(元傭兵)のアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)の協力を得ながら、お目当のダイヤモンドの隠し場所を盾に、バラバラになった家族を取り戻そうと奮闘する物語です。
映画の中ではブラッドダイヤモンドを求める欧州国をはじめとする先進国の企業と人々の構図にスポットライトが当てられています。
安価にダイヤモンドを手に入れる一方で、紛争の炎に油を注ぐ利己主義に利己主義を重ねた先進国の企業と消費者の構造。
国際法というルールが施行された後でも、人が求める限り、沈黙は長くは続かないでしょう。
●アーチャーの存在
メインの主人公はソロモンになりますが、アーチャーの存在についても考えさせられました。
黒人で地元漁師だったソロモンと違い、アフリカの地で生まれ育った白人のアーチャーが経験する壮絶な境遇。そして彼が選んだ傭兵と密輸ブローカーの職業。ヨーロッパの白人社会とアメリカの白人社会とはまた異なる背景を持ち、一歩引いた立場で描かれます。
それをしっかりと演じ切ったディカプリオは素晴らしかったです。
改めて思うと毎回報われなかったり誰かを失ったりする切ない役が多いですね😢
●映画を観終わって
映画の内容についてはすごく壮大で、戦闘シーンなどちょっとスケールをデカくしすぎな部分もありましたが、すごく観る価値を感じましたし、定期的に観返したい作品です。
自分が商売をしたり、何かを消費したりする中で、自分が一体何を扱っているのかを、そして何を価値と感じているかをあの考えさせるために。