映画レビュー:バットマン・ダークナイト
【狂気と混乱を生み出す純粋な悪との宿命的な出会いによって砕け散ったヒーロー像。たとえ己が地に落ちようとも、それでもこの街を守る】
【個人採点】95点【100点中】
この前のブログに続き、ダークナイトシリーズの2作目のレビューを書きます。
昨日のブログ↓
これこそ至極のエンターテイメント!
バットマンビギンズと同じく、何度も観ている映画です。
●とうとうジョーカーあらわる!
ダークナイトシリーズ2作目で待望の宿敵ジョーカーが現れます。
ダークナイトシリーズでは、いきなり1作目から永遠の宿敵でありライバルのような存在であるジョーカーを登場させはしませんでした。
しっかりと1作目ではバットマンの成り立ちとヒーローとしての設定を定義させます。
そして2作目はものすごい期待値という名のハードルが上がった状態でジョーカーを登場させたのです。
●圧巻の存在感
結果から言って、ダークナイトシリーズのジョーカーは想像以上でした!!!
想像以上どころじゃない、もうヒース・レジャーのジョーカー以外が想像できないくらいに仕上がっていました🃏
ギャング組織の前に初めて登場するシーンが特に秀逸!あんな自己紹介ある???www
「マジック〜♪」みたいなノリが恐ろしすぎる😱😱😱😱
聞けばジョーカー役を務めたヒース・レジャーは何日もホテルの部屋に篭って役作りをしたそうです。
なんと一部シーンのメイクもヒース・レジャー本人でやったそうです!
それくらい力を入れて作り上げたジョーカー像は圧巻の一言です。
●一味違うジョーカーの怖さ
なぜダークナイトシリーズのジョーカーが最高で最狂なのか?それはこの映画で描かれているジョーカーが純粋な悪だからです。
つい先日ブログでも書いた映画『JORKER』や、1989年に公開された映画『バットマン』に登場するジョーカーはみんなジョーカーになる前の背景が描かれています。つまり、もともとの身元が分かっている“人”なんです。
しかしダークナイトシリーズに登場するジョーカーの身元は最後まで語られません。
一度警察に勾留されますが、その時も指紋は過去のデータから一致せず、身元を証明するものは何一つ持っていませんでした。
しかも映画では2回彼の口から彼の事が語られますが、どちらとも(恐らく)真実とは言えない内容でした。
本能の向くままに街を混乱に導く存在。かと思えば緻密な計算の元、警察やバットマンを欺く事もします。
どこから来て、何を考えているかわからないけど、人々を混乱に陥れる方法は知っている。
それはもう歩く恐怖です😨
ジョーカー本人もこう言います“I'm an agent of chaos(私は混乱の使者だ)”。
それ言った時のナース姿も違う意味でもうたまらん!笑
そんな動機もわからないジョーカーの存在に困惑するブルース・ウェインに対して、執事のアルフレッドもこう言います、“世の中には世界が焼け落ちるのをただ意味もなく見て楽しむ輩もいるのです”と。それがジョーカーなんです。
●崩れ落ちたヒーロー像
まさに鬼気迫る演技で描き出された狂気の塊のようなジョーカーに立ち向かったバットマンですが、一度はバットマンを捨てる事を決心する程に打ちのめされてしまいます。
最後には共に悪と戦っていた検事のハービー・デントもジョーカーの魔の手にかかり、彼自身が悪の道に堕ちてしまいます。(正直やられっぱなしです🤕)
それでも街を守るため、そしてこれ以上悪がのさばらないため、彼は自らがデントの罪を被って悪役となる道を選びました。
もはやバットマンは輝かしい街のヒーローという存在ではなく、忌み嫌われても街の影の守護者として生きていくという道を最後に選んだのです。
日本語タイトルの“ダークナイト”ではわかりにくいですが、“Dark Night(絶望を指す暗い夜)”ではなく、最後のバットマンを表現する“Dark Knight(闇の騎士)”の事だったのです。
映画全体としてはジョーカーの存在感が圧倒的でしたが、最終的にはバットマンの役割というものが明確に提示されて終わった流れになりました。
●映画全体を通して
映画の尺としては長めでしたが、最後まで飽きずにすべてのめり込んで観る事ができる作品でした。
また新たなバットマンの乗り物“バットポッド”も胸が熱くなるアイテムです!乗りたい!!
そしてやっぱりアクションシーンが素晴らしい✨
最初の強盗のシーンも美しいほどに流れるテンポで繰り広げられますし、
アメリカの映画館で観た時は、ジョーカーの乗ったトラックが横転したシーンで観客席から“wow!”と声が一斉に聞こえてきました👍それくらい壮大なシーンがいくつも入ったこの映画のエンターテイメント性は計り知れません!!
ただジョーカーが爆弾を仕掛けた2隻の船🚢の件はちょっと微妙でしたね😅
結局どちらも爆発させずにあんなに綺麗に逆転できるかな?????と疑問に思ってしまいました。
でもジョーカーが捕まって逆さまになりながらのバットマンと対峙するシーンはもう、痺れまくりですね😭✨✨✨✨
もうそれ以外もお気に入りのシーンをあげたらキリがないです。
また最後に1つ言える事はヒース・レジャーの死は本当に悲しくて、今でもこの映画を観るたびに惜しい人を亡くしてしまったんだなと思っています😢今でも彼のご冥福をお祈りしています。唯一の救いは彼の死によってこのジョーカーがさらに伝説的な存在になって今でも語られているという事です。後にも先にもこのジョーカーを超える事ができる人はいないと思います。