記事:Dr.アマゾンに思うこと
少し前のNewsweekに掲載されていた記事ですが、それに関する可能性を考察して想像を広げてみました。
概要
記事としてはアメリカでAmazonが医療の業界に参入する事に対してまとめています。
現在Amazonは試験的に一部従業員に対してAmazon careなるものを提供しているそうです。
そしてこの記事では、Amazonが今後一般的にそのAmazon careを提供し始めたときに得られる利益と、社会的な影響、さらには利用者に対する利点、そしてAmazonが迎えるであろう課題についてわかりやすく解説しています。
記事の内容については詳細までは書きませんが、
要点については説明したいと思います。
医師と患者を繋ぐプラットフォーム
まずこのAmazon careの大きな目玉は医師と患者を繋ぐプラットフォームを提供するという事です。(注:まだ構想途中で一般には普及していない段階)
インターネットを介して患者が掲載されている情報(レビューや他サイトの書き込みを含む)を元に適切な処置を施してくる医師を検索し、医師は逆に自身が提供できる治療法や技術を伝える事ができる。このやりとりがお互いにWin-Winの関係を構築できる想定になっています。
さらにこの関係性をより強固なものにする為に、選んだ医師が必要な処置を施す為に利用者(患者)はその医師がいる診察室に足を運ぶのではなく、医師が遠隔操作やインターネットで送られてくる情報により治療や診察を行う技術の発展が必須になっていきます。そしてその発展の一躍を担っているのがFitbitやApple Watchを始めとするウェアラブル端末です。
ウェアラブル端末とその先
利用者の体に身に付ける事によって心拍数や血圧などの健康に関する値を読み取り、利用者に伝える機能があります。
最近のアプリの中にはそんな読み取った数値を元にストレス値や睡眠の充足値を判定し、改善を提案するものもあります。
さらにはGPSと連携する事によって、体に危険値が発見された場合に然るべき機関に居場所と必要な情報を提供して救助を求める事もできる時代になっています。
こうした数値化したデータはAmazon careを通して医師に伝えられて、診察に使う事ができます。
そしたその先の技術の発展によってはウェアラブルから“服用型の端末”の台頭によって、より詳細な体の情報(例えば血中の白血球の量など)が読み取る事ができ、インターネットを通じて医師に胃の内部などの状態を共有し、さらには簡単な医療処置(ポリープの除去や血管の修復等)がその端末によって遠隔操作でできる可能性があります。
費用に関する恩恵
そして何より大切な事は、こうした医療を安価で利用できる可能性があることです。
日本のような医療保障がないアメリカにとっては、高額な医療費が求められる治療も少なくはありませんが、Amazonという巨大なプラットフォームに組み込まれれば、プライム会員の年会費に上乗せした保険料がそのまま保証という形で利用者につく構造も作れるとはずです。
それだけではなく、ウエアラブル端末や服用型の端末を組み合わす事ができれば、患者と治療の処置の間にある無駄な人件費や事務費用が省ける可能性があります。
記事を読んでの印象
僕がこの記事を読んで感じた事はすごくポジティブな印象です。
Amazonのような方式でレビューなどの評価を元に医師や医療方法を選択し、医療機器の遠隔操作の技術の向上によって離れた場所からでも個人が望んだ治療を納得した金額で受ける事ができる。
これについては以前Newsweekの別の記事で紹介されていた『医療とAIの可能性』について書かれた記事を読んで、個人的に“いつか医療や医師を正当な評価の下に自由に選択する未来が来て欲しいな”と強く感じましたが、その考えをAmazonが実際に形にしているという事です。
さすがAmazon!年間莫大な費用をR &D(Research and development)に費やしているだけあります。
そこからの妄想
まず記事で取り上げられた懸念としては、Amazonが今までに書店に対して与えた影響です。
電子書籍やネット注文が、地元の本屋を廃業に追い込んでいるという構造。ひょっとするとこの流れが地元で個人経営をしている診療所にも影響する可能性があると。
しかし、それもやり方次第ではうまく共存できる可能性があります。
例えば“服用型の端末では治療できない症状だが、遠隔で機械を操れば処置が可能なケース”。例えば診療所には遠隔操作で操作ができる大型の医療機器を揃えて、予約で来た人が順番に必要な機器のもとに案内されて必要な治療や検査(CTなど)を受ける。
診療所には専門医ではなくて、機械メンテナンスに詳しい人や、介護士、衛生管理を行う清掃員がいるだけで運営が可能で、緊急時を除いて予約制にする事によって、菌の蔓延というリスクを減らす事ができます。
そんな診療所施設が海外にもあれば、例えば旅行中に怪我や病気にかかっても、ネットで日本の医師に繋がって、必要な機材が揃った現地の場所に連れて行ってもらえれば、日本にいる時と同様の治療を受けることができるのです。もちろん翻訳機能が発達すれば、第3国の優秀な専門医師の治療も選べるわけです。
こんな話も聞きます。僕の暮らしている市では古くからある病院が多いんですが、本当に古すぎて扱う機材も古いと、ただ権力が強すぎて地元の病院らは結託して、他所からやってくる新参の病院が入ってこないようにしていると。だから心配な人はわざわざ別の市にある大学病院などを利用していると。こんな現状はぶち壊す必要がありますね。なんでもかんでも潰すのは良くないとは思いますが、普通に働いて暮らしている人のように緊張感持って生活しろよって思ってしまいますね。
正直になれない人
記事にも書いてあったんですが、僕も本当に気が弱くて、どうしても心配事があってもお医者さんにすべて打ち明ける事ができなくて、幸い今まで大きな病気や怪我はないんですが、変に気を使って期待されているような事しか言えない事があります。それは医療と人の関係性を考えるとあまり良くない事だと思います。
その点診察する機器が自分に身に付けられる事ができて、自分で気になる分野を検索して、希望する医師や治療法を選ぶ事ができる未来が来れば、それほど隔たりを感じずに医療に接する事ができるのではないでしょうか。
みんなで考える壁
そんな半分僕が好き勝手妄想した内容ですが、Newsweekではこんな懸念も指摘しています。
それは“1企業に医療に関わる個人データを提供していいのだろうか”という事です。
今や個人情報流出のニュースはしょっちゅう聞く話題ですが、Amazonに関わらず、もし大手企業がこういった医療の分野で深く我々の生活に関わった時に、どこまで情報を提供するか。
確かに言われてみるとかんがえさせられますね。。
そな記事の調査にやるとやはり多数派の人が企業に個人の細かい医療データを提供する事に抵抗を感じているそうです。それよりは多少弊害があっても地元の医療を使うと。
Amazonがまず題材とされていますが、これは医療に参入する企業全てが取り組まなければならない課題です。比較的若い世代はそこまで気にせず興味を持つという傾向もあるそうなので、しっかりとした基盤を作って取り組んでもらいたいですね。
だって実現すればすごくいい選択肢になると思います。全てを解決するわけではありませんが、新しい選択肢が増えるという事自体がとてもいいことです。
日本ができること
Amazonは日本でもかなりの存在感と影響力がありますが、なんと言ってもあくまでもアメリカの企業なので、Amazonが日本の医療界に参入すれば日本の利益がアメリカに流れてしまうという事案が発生する可能性もあります。
まあ日本のとりわけ医療界は保守的なイメージが強いからアメリカの企業どころか日本の新参企業が介入してもすぐはじき出しそうですよね。
それでも企業の参入については、もし実際におころうとするばあいは、先にR &Dに先行投資していたAmazonをはじめとする米国企業には勝てそうにありません。
それよりは日本が負けない(または負けなさそうな)分野。それは遠隔操作での治療が可能なオープン型の診療所の設計と運営、それに関わるメンテナンス、清掃、介護の人材運営とマニュアル&サービス提供、さらには機器の設計と製造と、まだまだ派生して必要になりそうな分野での発展が鍵になると思います。
これかの医療、僕もだんだん歳を重ねてお世話になる確率がまだ増えていきますから、その時にはできれば安心感や、全てではなくても納得した形の治療が受けられればいいなと切に思います。
映画レビュー:ブラック・クランズマン
【憎悪が渦巻いた70年代の回帰】
【Amazon primeレビュー】
Amazon prime評価:星3.9
【自己採点】74点(100点中)
●久しぶりに観たスパイク・リーの映画
アメリカの大学に在籍していたら頃には、Black Cultureを学ぶ為の学科があり、何度か授業に参加した事がありますが、そこでスパイク・リーの『School Daze』という映画をみんなで鑑賞して背景や映画の意味などを議論するという日がありました。
日本で育った僕にとってはそのBlack Cultureを語る上で、登場するキャラクターの髪型や喋り方、背景の音楽など全然予備知識が無くてちんぷんかんぷんでしたが、全く知らない世界の話を周りの生徒や先生から聞けてすごく新鮮でした。
そんな事で、僕はスパイク・リーの全ての作品を網羅しているわけではありませんが、
この授業がきっかけで、スパイク・リーは彼自身がアフリカ系アメリカ人でもある事から、彼の視点から黒人社会(特に文化的な部分)の雰囲気、そしてアメリカ社会全体で扱われているリアルな反応を、ポップだけど真摯に伝える事をモットーにしている監督だなというイメージがありました。
●映画のストーリー
映画のストーリーとしてはアメリカのコロラドスプリングという街で、70年代に初めて警察官になった黒人の主人公ロン・ストールワースが、ユダヤ人で警察官のフィリップ・ジマーマンと協力し、KKK(クー・クラックス・クラン)という白人至上主義組織に潜入し、恐るべき破壊行動を阻止するという話になっています。
しかもこれは実話を基にしたストーリーなんです!
●映画の伝えたい事
もちろんこの映画では実際にあったストーリーを伝えていて、しかも当時強く迫害されていた黒人の警官(とユダヤ人の警官)が白人至上主義で差別主義の団体の鼻を明かした話は、スパイク・リーを含めたアフリカ系アメリカ人にとって英雄的な物語に感じられたはずです。
でもそれだけではなくて、この映画ではKKKに属する人間の異常な感情を取り上げていて、さらにはこうした差別的な時代の風潮と今のトランプ政権下の社会状況とを比べさせようとしています。
“当時の状況は今の時代の状況と非常に酷似している。”
なので映画の終わりにはここ最近実際に撮影された白人至上主義者の集まりによる運動の様子、それに反対するデモの様子、そして実際に起きた最近の痛ましいヘイト・クライム(差別といった憎悪が原因での犯行)が紹介されています。
一部取り上げた事件は日本のニュースやSNSでも見聞きした内容も入っていましたが、映画だけあってもうちょっと突っ込んだ痛ましい映像も含まれているので観る方は注意が必要です。
●繋がりの悪さ
スパイク・リーが伝えたい事はすごくわかりましたし、僕個人としても白人至上主義や差別主義には異議を唱えますが、映画としては流れや構成の悪さが目立ちました。
特に最後に実際の映像を流すなら、もうちょっと本編の映像というか撮り方をリアルに寄せてもよかったんじゃないかなと思いました。
そして本編の運びが間延びしていたり、そのわりには登場人物の背景をもうちょっと掘り下げるとかして欲しかったなと思いました。
個人的には非常に大切なメッセージがあったのに、もったいなかったなと思える作品でした。
映画レビュー:バットマン・ダークナイト
【狂気と混乱を生み出す純粋な悪との宿命的な出会いによって砕け散ったヒーロー像。たとえ己が地に落ちようとも、それでもこの街を守る】
【個人採点】95点【100点中】
この前のブログに続き、ダークナイトシリーズの2作目のレビューを書きます。
昨日のブログ↓
これこそ至極のエンターテイメント!
バットマンビギンズと同じく、何度も観ている映画です。
●とうとうジョーカーあらわる!
ダークナイトシリーズ2作目で待望の宿敵ジョーカーが現れます。
ダークナイトシリーズでは、いきなり1作目から永遠の宿敵でありライバルのような存在であるジョーカーを登場させはしませんでした。
しっかりと1作目ではバットマンの成り立ちとヒーローとしての設定を定義させます。
そして2作目はものすごい期待値という名のハードルが上がった状態でジョーカーを登場させたのです。
●圧巻の存在感
結果から言って、ダークナイトシリーズのジョーカーは想像以上でした!!!
想像以上どころじゃない、もうヒース・レジャーのジョーカー以外が想像できないくらいに仕上がっていました🃏
ギャング組織の前に初めて登場するシーンが特に秀逸!あんな自己紹介ある???www
「マジック〜♪」みたいなノリが恐ろしすぎる😱😱😱😱
聞けばジョーカー役を務めたヒース・レジャーは何日もホテルの部屋に篭って役作りをしたそうです。
なんと一部シーンのメイクもヒース・レジャー本人でやったそうです!
それくらい力を入れて作り上げたジョーカー像は圧巻の一言です。
●一味違うジョーカーの怖さ
なぜダークナイトシリーズのジョーカーが最高で最狂なのか?それはこの映画で描かれているジョーカーが純粋な悪だからです。
つい先日ブログでも書いた映画『JORKER』や、1989年に公開された映画『バットマン』に登場するジョーカーはみんなジョーカーになる前の背景が描かれています。つまり、もともとの身元が分かっている“人”なんです。
しかしダークナイトシリーズに登場するジョーカーの身元は最後まで語られません。
一度警察に勾留されますが、その時も指紋は過去のデータから一致せず、身元を証明するものは何一つ持っていませんでした。
しかも映画では2回彼の口から彼の事が語られますが、どちらとも(恐らく)真実とは言えない内容でした。
本能の向くままに街を混乱に導く存在。かと思えば緻密な計算の元、警察やバットマンを欺く事もします。
どこから来て、何を考えているかわからないけど、人々を混乱に陥れる方法は知っている。
それはもう歩く恐怖です😨
ジョーカー本人もこう言います“I'm an agent of chaos(私は混乱の使者だ)”。
それ言った時のナース姿も違う意味でもうたまらん!笑
そんな動機もわからないジョーカーの存在に困惑するブルース・ウェインに対して、執事のアルフレッドもこう言います、“世の中には世界が焼け落ちるのをただ意味もなく見て楽しむ輩もいるのです”と。それがジョーカーなんです。
●崩れ落ちたヒーロー像
まさに鬼気迫る演技で描き出された狂気の塊のようなジョーカーに立ち向かったバットマンですが、一度はバットマンを捨てる事を決心する程に打ちのめされてしまいます。
最後には共に悪と戦っていた検事のハービー・デントもジョーカーの魔の手にかかり、彼自身が悪の道に堕ちてしまいます。(正直やられっぱなしです🤕)
それでも街を守るため、そしてこれ以上悪がのさばらないため、彼は自らがデントの罪を被って悪役となる道を選びました。
もはやバットマンは輝かしい街のヒーローという存在ではなく、忌み嫌われても街の影の守護者として生きていくという道を最後に選んだのです。
日本語タイトルの“ダークナイト”ではわかりにくいですが、“Dark Night(絶望を指す暗い夜)”ではなく、最後のバットマンを表現する“Dark Knight(闇の騎士)”の事だったのです。
映画全体としてはジョーカーの存在感が圧倒的でしたが、最終的にはバットマンの役割というものが明確に提示されて終わった流れになりました。
●映画全体を通して
映画の尺としては長めでしたが、最後まで飽きずにすべてのめり込んで観る事ができる作品でした。
また新たなバットマンの乗り物“バットポッド”も胸が熱くなるアイテムです!乗りたい!!
そしてやっぱりアクションシーンが素晴らしい✨
最初の強盗のシーンも美しいほどに流れるテンポで繰り広げられますし、
アメリカの映画館で観た時は、ジョーカーの乗ったトラックが横転したシーンで観客席から“wow!”と声が一斉に聞こえてきました👍それくらい壮大なシーンがいくつも入ったこの映画のエンターテイメント性は計り知れません!!
ただジョーカーが爆弾を仕掛けた2隻の船🚢の件はちょっと微妙でしたね😅
結局どちらも爆発させずにあんなに綺麗に逆転できるかな?????と疑問に思ってしまいました。
でもジョーカーが捕まって逆さまになりながらのバットマンと対峙するシーンはもう、痺れまくりですね😭✨✨✨✨
もうそれ以外もお気に入りのシーンをあげたらキリがないです。
また最後に1つ言える事はヒース・レジャーの死は本当に悲しくて、今でもこの映画を観るたびに惜しい人を亡くしてしまったんだなと思っています😢今でも彼のご冥福をお祈りしています。唯一の救いは彼の死によってこのジョーカーがさらに伝説的な存在になって今でも語られているという事です。後にも先にもこのジョーカーを超える事ができる人はいないと思います。
映画レビュー:バットマンビギンズ
【ネタバレなし/全体の感想のみ】
【己の恐怖と立ち向かい、悪に立ち向かうと誓った時、男は唯一無二の存在になる】
【自己採点】98点(100点中)
この映画は名作です。
この映画はブルーレイとDVDを持ってて、もう20回は観ていると思います。
今でも書きながらまた観たい衝動に駆られていますwwww
バットマンの始まりをここまで壮大な映画にしたクリストファー・ノーラン監督には拍手と感謝を送ります👏👏👏👏
映画っていいですね!そう心から思える作品です。何度観てもすごくワクワクし、すごく胸が熱くなります。
バットマンビギンズの後にも様々なヒーローもの映画が登場しましたが、描き方というか、焦点のあて方が明らかにノーラン監督の影響を参考にしているものもいくつかありますね。
それだけこのダークナイトシリーズは1つの伝説になっています。
元々バットマンのストーリーには悲しい背景が存在しますが、バットマンビギンズはそれをヒーローとしての力に変えるまでの描写がすごく素敵で心に響きます。
●素晴らしいキャストとキャラクター
この映画の魅力は単にアクションシーンだけではなくて、主人公のブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)を含めた登場人物とその関係性も重要なポイントです。(むしろアクションシーンはまあまあです)
劇中では以下の主人公との関係性が、このバットマンシリーズに深いヒューマンドラマを生み出します。
- トーマス・ウェイン(父)との親子関係
- 代々ウェイン家に仕えているアルフレッド(執事)との関係
- ゴードン(刑事)との関係
- フォックス(ウェイン社の古株)との関
- レイチェル(幼なじみ)との関係
- そしてラズ・アル・グール(リーグオブシャドウを率いる敵のリーダー)との関係
沢山ありますが、1つ1つの関係性が主人公のブルース・ウェインにとって、バットマン像を作り上げるにあたって重要な役割を持っています。
そして各登場人物を演じたキャストは味があってみんなよかった◎◎
確かに渡辺謙が雑に扱われたという声もありますが、まあハリウッド映画からしたら完全に脇役候補だし、ドンマイですって感じww
(裏話としては、監督がどうしても渡辺謙を起用したかったのだが、本人とのスケジュールが合わず、こんな感じで終わってしまい、その後インセプションで改めて再起用する事になったそうです)
●心奪われるバットモービル
そして忘れてはいけないのがバットマン専用の乗り物!
莫大な富で作り上げたバットマンの専用車両は過去の映画版でもアニメ版でもカッコよさ全開で男の子の憧れでした✨
しかし今回のバットモービルは一味違います!
まさに戦車と見間違うほどの重量感❗️なのに屋根から屋根へ飛び移る❗️しかもブーストして加速する❗️❗️❗️
カッコ良すぎて胸が熱くなる❗️
なんてマシンをデザインしたんだノーラン監督✨✨✨✨
●ぜひ字幕版を!
この映画のさらに熱い部分は、登場人物が語る台詞です。
人生の教訓めいた台詞が、キャラクター同士で交わされ、さらには繰り返し引用される事によってさらに台詞に深みと重みを加えます。
好きな声優さんがいるなら吹き替え版もいいかもしれませんが、本当の俳優さんが使う声のトーンを感じながら観ることができる字幕版が断然おすすめです!
むしろあくまでシンプルなワードでのやり取りが多いので、数回見る方は英語字幕をつけても絶対に楽しめます。
シンプルなワードを使っての言葉のやり取りは英語の勉強にもなります。シンプルなワードをトーンを使ってやり取りするのもネイティブな英語を学ぶには重要な部分です。
色々な角度から、何度観ても楽しめる映画は他に中々ありません。
観た事がない方はぜひ一度👍
観た事がある方はぜひもう一度ご覧ください👍
映画レビュー:ブラッドダイヤモンド
【ネタバレなし/全体の感想のみ】
【流された多くの血で彩られた宝石。我々の富の象徴がアフリカを地獄に変える。】
【Amazon primeレビュー】
Amazon prime評価:星4.5
【自己採点】92点(100点中)
多くの先進国に暮らす人々よ、刮目せよ、世界は繋がっている。そして我々は日々作られた幸福の中で暮らし、その外で地獄を生み出し続けている。
●僕たちの暮らしを知ろう
僕は生活の中で、不安もあるし憤りを感じる事もある。うまくいかない日だっていっぱいある。ついてない事が連続して悪態ばかり吐く時だってある。
それでも豊かな社会に暮らしている。
その中で自分の豊かさや富を着飾り表す事で他人と比べる事を当たり前に行なっている。
資本主義社会だの、共産主義も社会主義も、右も左も関係なく、結局はこの連鎖に手を染めてしまう。
ダイヤモンド、それは誰もが手を伸ばしたくなる魅力的な石。
光輝いて高価で、心を奪う魔力を持った石。
その石が欲しくて欲しくてたまらない。
だがしかし、大枚を叩いて、手に入れたダイヤモンドが手元に届くその裏側で多くの人の命が犠牲になっている事を我々は知らない。
言葉で伝えても難しい場合はこの映画を観ればいい。
ぜひ中高生の授業で流して欲しい。
これと「Lord of War』は絶対に観てほしい。
自分の生活や国や社会が一体世界の何と関わっているのかを知るきっかけになります。
●ストーリー
ブラッドダイヤモンドとはその名の通り“血のダイヤモンド”。
この映画はアフリカのシエラレオネの紛争地域で違法に取引されたダイヤモンドが武装組織の資金源になっている背景の下、強制労働でダイヤモンドの採掘をさせられていた主人公のソロモン(ジャイモン・フンスー)がある日、ピンク色に輝く大きなダイヤモンドを見つける。
それは今までに見たことがないくらい大きくて綺麗なダイヤモンド。
その噂は瞬く間に広がり、そのダイヤモンドを巡って争いが起きる中、命からがらダイヤモンドを隠したソロモンは、もう1人の主人公で密輸ダイヤモンドのブローカー(元傭兵)のアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)の協力を得ながら、お目当のダイヤモンドの隠し場所を盾に、バラバラになった家族を取り戻そうと奮闘する物語です。
映画の中ではブラッドダイヤモンドを求める欧州国をはじめとする先進国の企業と人々の構図にスポットライトが当てられています。
安価にダイヤモンドを手に入れる一方で、紛争の炎に油を注ぐ利己主義に利己主義を重ねた先進国の企業と消費者の構造。
国際法というルールが施行された後でも、人が求める限り、沈黙は長くは続かないでしょう。
●アーチャーの存在
メインの主人公はソロモンになりますが、アーチャーの存在についても考えさせられました。
黒人で地元漁師だったソロモンと違い、アフリカの地で生まれ育った白人のアーチャーが経験する壮絶な境遇。そして彼が選んだ傭兵と密輸ブローカーの職業。ヨーロッパの白人社会とアメリカの白人社会とはまた異なる背景を持ち、一歩引いた立場で描かれます。
それをしっかりと演じ切ったディカプリオは素晴らしかったです。
改めて思うと毎回報われなかったり誰かを失ったりする切ない役が多いですね😢
●映画を観終わって
映画の内容についてはすごく壮大で、戦闘シーンなどちょっとスケールをデカくしすぎな部分もありましたが、すごく観る価値を感じましたし、定期的に観返したい作品です。
自分が商売をしたり、何かを消費したりする中で、自分が一体何を扱っているのかを、そして何を価値と感じているかをあの考えさせるために。
映画レビュー:Moonlight
【波の上に揺らぐ月の光は何色か】
【Amazon primeレビュー】
Amazon prime評価:星3.6
【自己採点】88点(100点中)
●意見が分かれる映画
この映画は非常に評価が分かれているようですね。
Amazon primeでもまあまあの評価です。
アメリカでは評価が高いサイトとそこそこ止まりのサイトがあるみたいです。
観る人を選ぶ作品なのかもしれません。
●映画で掲げられている要素
何故ならこの作品の中には:同性愛、差別、ドラッグ、貧困、いじめ、黒人社会という要素が含まれています。
我々日本人にはあまり馴染みのない要素ですが、主人公のシャロンの周りには当たり前に存在していました。
1つ1つの要素にこだわって目を向けていくとひょっとしたら毛嫌いする人もいるかもしれません。
そんな背景の中で“自分の生き方を決める”ためにシャロンは葛藤を続けていきます。
●ストーリー
主人公のシャロンが“少年”、“思春期”、“青年(大人)”へと成長する3部構成のストーリーの中で起こる自身のアイデンティティと周囲のシャロンに対する影響からもたらされる葛藤が、悲痛にも残酷にそしてリアルに描かれていきます。
予告でも使われていますが、この映画の音楽がまたシャロンの境遇の悲痛さを際立てて物語っています。
この映画は映像だけではなく、音の効果も強く心的描写に関わっています。
●ストーリーの根幹
シャロンの“少年期”の時代に登場するフアンというドラッグディラーの男がいるのですが、シャロンはネグレクト気味の母親の代りに、実は面倒見の良いフアンを一時期頼る事になります。
そんなある日フアンがシャロンを初めて海に連れて行くのですが、その時にフアンはシャロンに大切な話をします。
それは“誰しもが自分の色を持っている”、そしてシャロンもいつか“自分で自分の生き方を決める時が来る”。
僕としてはこれがこの映画の主要なテーマなのではないかと思います。
そして3部構成のそれぞれに登場する“海”とシャロンの心模様を対比させながら語られているように感じられました。
映画の最後には自分の心を開き、生き方の方向を決め、生命の原始である海原へと航海を始めます。
●個人的な感想
『Moonlight』は好きな映画に入ります。
大事な事は1つ1つの要素に捉われるのではなく、そんな要素を背景にシャロンが自身の心を見つけていく人生の旅路全体に目を向けるということです。
でも映画に登場する描写や挿入歌などの全てが何を意味しているかと問われると、細かくは説明できない部分もありますが、
それでも“伝える”というよりは“物語る”という言葉の方が合っている映画だと思います。
本当に言葉や海との対比が綺麗な映画で心に残るシーンが沢山ありました。
また時々観たいと思います。